2010年5月29日土曜日
2010.5.28 迷走の果て
こうなることは初めから分かっていた。 アメリカの政治家にとって、最重要分野である軍事上の問題について、50年もずっといいなりになっていた国 が急に物をいうようになった。 昨日今日政権を取ったばかりのプレピーな首相をオバマはほとんどまともに相手にはしてこなかった。 寄り合い所帯の脆弱な 基盤に立つ政権にどうせ力はないと思っていたからだ。 そもそも社民党と一緒になっていることからして、アメリカにとってみると不気味な存在だったろう。
3つの点で、普天間はとてつもなくハードルの高い問題だった。
1つめは、多くの国民が日米安保は重要であ り、日本はアメリカに守ってもらわないといけないと思っていることだ。 一部の不見識な人は話し合いでどうにかなると思っているかもしれないが、多くの人 は、アメリカと事を荒立ててまでこの問題を処理しなければならないとは思っていない。 つまり、国民はそこまで民主党をサポートする気がない。
2 つめは、沖縄の人たちが「本土の人」とよぶ大多数の日本人は、沖縄の人たちがさんざん味わってきた苦しみや悲哀を表層的には理解するものの、では自分たち も負担を一部なりとも引き受けようとまでは思っていないことだ。 報道を見ていれば分かるではないか。 だれもが、自分のところにだけは絶対に来てほしく ないのだ。 勝手なものだ。 一方で軍事同盟は必要だと思いながら、その対価は払いたくないのだ。
3つめは、当のアメリカ自体は、まったくその気がないことだ。 彼らにしてみると軍事基地の機能をばらばらにすると言うこと自体が非常識なのだ。 さらに本音を言えば沖縄は、日本本土から遠い、むしろ中国、台湾の方にずっと近い。 こっちの方が重要なのだ。
鳩山さんの失敗ははっきりしている。
出来もしない公約はするべきではなかった。 この問題を解消するには、日米安保を根本的に見直す位の、というかそれ自体を解消する位の覚悟が必要だった。 鳩山さんは実際過去に書いた論文やら、公の場でもそれらしき事をいっていた。
ただ、それだけのことで、世論をそちらに誘導していくだけの努力もしていなければ、党内や連立のあいだとのすり合わせもなにも出来ていなかった。 アメリカと対峙するどころではない。 何の準備もなく、殆ど不可能のようなことを口にし続け、結果は今日の記者会見の通りだ。 民主党はもっと早い段階で、軌道修正するべきだったろう。
この件で社民党は連立から離脱するだろうが、選挙で彼らが躍進することはないだろう。
民主党が大負けすることがはっきりしてくれば、おそらくまた自民党の暗黒時代に逆戻りするだろうし、それほどでも無い見通しであれば、今度は政権の 味を片時も忘れたくない公明党が民主党にすり寄ってくるだろう。 そうなるとあまりぞっとしないが、民主党にはもう少しがんばってもらいたいので、いずれにしても、ベストなタイミングでぼんくら首相には退陣してもらい、人事を刷新した上で盛り返してほしいものだ。
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