5/15,16。 バーゼルの囲碁トーナメントには32人の参加者があった。
ドイツ、フランス、あとは東欧の国からも観光と同じような感覚でやってきている。
ちょっと違うのは、ホテル代があまりにも高いので、大抵は寝袋を持ってきて、トーナメントのホストやバーゼル市内に住む人のアパートに分かれて泊まらせてもらう雑魚寝というシステムになっていることだ。
中、高校生のような若い子供たちならまだいいが、合宿じゃあるまいし、普通のアパートのリビングに5,6名のむくつけき男たちが一緒に寝ているところは、かなりむさ苦しい。
私は、当初ホストにはなってなかったのだけど、聞けば一人寝袋さえ無い人がいるというので仕方ない一人だけならと、引き取ることにした。 リビングには革製のソファーベッドがあり、シーツやブランケットも予備があったので、一応ちゃんとした寝床をこしらえてあげた。結局、一番ひどい状況になるはずだった人が、実は一番いい思いをしたわけだ。
しかも、会場は私のアパートからが一番近く、歩いて9分。
話を聞いて、代わりに俺を泊まらせてくれと割り込んでくる人までいた。
どうも、他のヨーロッパのトーナメントでもそういうシステムはあるとのこと。
要するに、囲碁仲間同士で、助け合うことで囲碁の普及に寄与しようという考え方があるらしい。 逆に、そんな風にしてまではるばるやってくる人たちの熱心さには脱帽した。
トーナメントは参加者めいめいがそれぞれ5回プレーをし、総合点で順位が決まる。
持ち時間は1時間だが、それを超えると、カナダ方式といわれる秒読みに入る。
それぞれ5分間に15個の石を置くが、置ききれなければそこで負けになる。
私は日本では一度も大会に出たことがなく、しかも時計で計りながらのゲームは生まれて初めてだ。 相当あせった。
そのせいではないのだけど、結果は1勝、4敗と最悪。 格下のプレーヤーにまで負ける始末。 つらいなぁ。 まだまだ修行が足りない。
参加者の中で一番強かった人は、韓国人で、なんともと院生だったという。
普段は囲碁のレッスンをしながら名古屋に住んでいるというのだが、時々ヨーロッパにやってきて教えているという。 現在はチューリッヒにいるとのこと。
韓国の院生と言えば、実力的には日本のプロとひけをとらない人もいるらしいので、相当強い。 なのでトーナメントには参加しているけれども、一方では事務局が報酬を出して来てもらっている講師でもあり、希望者には対局後に指導もしていた。
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