2011年1月22日土曜日

2011.1.21 長生きリスク

長生きリスクという嫌な言葉がある。
せっかく健康で長生きしても、経済的に大変な思いをしながら生きていかなければならないそういう危険性を言ったものだ。

社会保障制度に高い見識を持っている、、、のかどうかは知らないが、与謝野さんが今日、人生90年を前提に年金の支給開始時期を延ばし、それに併せて定年も延ばさなければならないと言ったらしい。 消費税上げの議論が本格化するまえに危機感をあおるための手段なのかもしれない。

私自身は社会の高齢化の進む中で現役で働く世代の割合がどんどん少なくなる以上、社会保障制度を維持するための財源は消費税しかないのではとおもっている。 世論調査なんかを見ても大方の人は仕方がないだろうと思っているようだ。 ただ、日本の政府は国民の信用がない。 自民党時代から実にいい加減な税金の使い方をしてきているので、消費税をあげてもまたぞろばらまきに使われたり、必要のない橋や道路や箱を作られるのではないかと思われているのだ。 民主党も同じく信用されていない。 一部にある消費税=福祉目的税という論もそれを意識したものだろう。

税制改革がうまくいかないのは、政治家と官僚のモラルハザードが原因だ。 全体像がどうなるのか、なぜこうするのかというグランドデザインを誰も、誰も、誰も示していない。 どういう名目の税金であっても払う側は同じ人間だし、すべて同じ財布から出て行くのだ。 全体の収支がどうなっているのか示さないのは、詐欺を働いているのと同じである。 財政の失敗をいかようにでも穴埋めできる打ち出の小槌などにされてはたまったものではない、と殆どの人がそう思っており、故に政治を信用できないのだ。

 2009年の厚生省による簡易生命表によれば、日本人男性の平均寿命は79.59歳、女性は86.44歳だそうだ。 与謝野さんのいっている90歳というのはいったい何年後の話なのだろうか。 あまり適当なことを言うのはやめてもらいたいものだ。 ちゃんとプランが出来てから国民に是非を問うというふうにはいかないのだろうか? 消費税を何%上げたら、今後の高齢化にも対処でき、支払額に応じそれぞれどのくらいの手当が出来るとか、きちんとした見込みを示すべきであろう。 また、消費税を福祉目的税にするのなら、当然従来の年金の掛け金は廃止だし、すでに払ってしまっている分をどう加算するのかとか、細かい説明が必要である。 そういう議論をきちんとしないでいつのまにか、ただの赤字埋め合わせの増税になってしまうとすれば、自民党時代といったいなにが変わっているのかさっぱり分からないことになる。 逆にいえば、ここでちゃんとした仕事をすれば、他の大概の失政は帳消しにしてもいいぐらいだ。 この大事に比べれば小沢切りなんか、実にどうでもいい話だと思うのだ。

1 件のコメント:

OKI さんのコメント...

共和党がモニカスキャンダルでクリントンを攻撃して支持率を下げた例があるように、自民党が小沢氏を過剰に口激して支持率に関していえば得なことは無いと思う。

政策(政治)で勝負してほしいものである。あの頃のクリントン政権の経済状況は上向いていたので、状況はいくぶん違うが。

税金という言葉を使ってはいないが、健康保険も年金も実質税金である。所得税率は確かに高くないと思うが、これらの保険・年金も合わせた額で考えてみると、かなりの負担率であると思う。諸外国のVATと比べ低率というのは、詐欺に等しい。色々と解決しなければ問題はあるが、年金・保険の全額税方式にすれば、この点ははっきりするのではと思いついた次第です。