2011年6月7日火曜日

2011.6.6 君が代、日の丸、堕落論

私は、日の丸は国旗、君が代は国歌ということを完全に受け入れている人である。
スポーツの観戦で、君が代斉唱の際にはちゃんと起立するし、歌いもする。
法律でそうなっているのだし、疑問の余地はない。
先の戦争、軍国主義、天皇制と結びつけて反対の理由とする人たちの気持ちは分からないでもないが、そうした一面性は確かにあっても、だからといって否定するような合理性はないと思っている。
戦争の総括をちゃんとした国、ドイツでも国歌は変えていないし、立憲君主制のイギリスでもGod save the Queenと歌っている。
君が代、日の丸のなにが悪い、と正直そう思っている。

ただ、強制をするということについては、非常な抵抗を感じるのだ。
一つは天皇陛下のお言葉がある。
2004年の園遊会を中継で私は見ていた。
当時東京都教育委員だった米長邦夫が調子に乗って、
「日本中の学校で国旗を掲げ国歌を斉唱させるのが私の仕事であります。頑張 っております」といったところ、
天皇陛下から強制でないことが望ましいと、ハッキリ言われてしまったのだ。

こういう時の右翼達の反応は面白い。 狼狽しながらも都合のよい解釈を付け加える。
つまり、自主的に掲揚し、斉唱するべきであるという意味だろう、というわけだ。
しかし今上天皇は常日頃から言語明瞭な方なので、言葉通り強制はいけないという意味だと私は思う。


戦後半年ほどたった頃に坂口安吾が書いた堕落論。
その中で天皇制について書いた部分がある。 
天皇は殆どの歴史において、祭り上げられ利用される存在であり、
権力者や政治家達は、天皇の前にぬかずくことにより、自らその権威を利用する。
天皇を利用して、お家騒動の処理をやり、息子は父を追い落とし、弟は兄をやりこめる、、云々。
天皇が大好きなはずの連中が、実際には天皇本人のお気持ちなどほったらかしして好き勝手なことをやる。
最高裁の判決も、大阪の条例も天皇自身のお気持ちにそうものでは決してないように思えるのだ。

靖国神社に対する昭和天皇の手記が見つかったときも、天皇は天皇のお考えがあるのでコメントしないと答えた右翼がいた。 米長も園遊会のあと同じように言っている。「陛下のお言葉に一市民である私はコメントすることはできません」 なんと都合のいい話か!

一つだけハッキリ言えるのは、日の丸、君が代を軍国主義を結びつける人には、強制はますますその考えを裏付ける役割しか果たさないということだ。

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