毎時送られてくる映像を見るたびに、気分がふさがってくる。
あまりにも被害が大きすぎて、広範囲なので自然の脅威に対する人間の無力さを感じざるをえない。
16年前、阪神淡路の際には被災直後、確か1週間後くらいだったと思うが、神戸にある取引先を見舞ったことがある。 電車はまだ途中までしか復旧してなく、ミネラルウォーターをカートでひきながら歩いて工場まで向かった。 途中よく知っている街が瓦礫と化し、あちこちでたき火を起こして暖をとっている被災者にあった。 当の取引先は工場建屋が全壊し、一階の部分もペシャンコになっていた。 社長はたまたまその日、普段とは違う別の部屋で寝ていたため難を逃れたということだったが、多くの人が家や家族を失った。 私がとても感動したのは、そうした人びとが会社に集まり安否を確認し合ったり、お互いに助け合っている姿だった。 私が東京からやってきたことに素直に喜んでくれ、「見ての通りの有様ですが、私たちは生き残りました。 会社はまた建て直せます、東京に帰ったら私たちは大丈夫だと伝えてください。」という人もいた。 もちろん、それぞれの個人の心のなかでは、どんなに大きな悲しみを抱えていたかと思うけれど、絶望にうちひしがれているよりも何とか立ち上がろうと必死に力をあわせている姿にとてもこころを打たれた。
実際東京から現場に向かっている私の考えていたことは、こんな悲惨な状況にある人たちにどんな声を掛けたらいいのかと言うことばかりだった。 しかし、そんな心配がまるでつまらない事だったように思えるほど、みんなは気丈に、また冷静に対処していた。 大きな被害をうけてもなお、みんなで力を合わせれば何とかなる、被災したたちはそういう希望をもって勇気を振り起こしていた。
今回の地震は、阪神淡路を上回る規模だったとともに津波による被害がまた甚大だった。 今なお救出を待っている人たちも多い。 海外からも救援隊が派遣されるという話だけれどもどうにか迅速にそういった支援も受け入れて、とにかく素早い救援活動をして欲しいと思う。
話がかわるのだけど、原子力発電所の騒動を見ていて、やはり日本には原子力は向いていないと思った。 確かに今回の地震は想定外の規模だったかも知れないが、自然災害は大抵想定外なのだから、この地震の最も多い危険な国にいざというときに制御できないものはおくべきではないのではないか。 代替エネルギーをどうするかというのは大きい問題だが、この未曾有の危機を契機に国はエネルギー政策を見直すべきだと思う。 まず新たな原発の建設を取りやめる、既存についても最も危険な地域の原発から閉鎖していくことを考えるべきだろう。 本当に国民の生命財産が大事ならそうするべきだろう。
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